ゲームで読む傑作特殊設定ミステリ - Staffer Case:超能力推理アドベンチャー

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面白い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

クリア直後に感想記事を書こうとしたものの、

上記の感想しか書けなさそうでやめていた。

クリア後、他の推理系ゲームもやってみて、

このゲームの良さが今なら言語化できるのではと思い始めたので、

とりとめもなく書いてみます。

 

推理したい欲を満たしてくれるゲーム

「パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語」を夢中になってプレイした後、

骨太なストーリーかつ推理ができるゲームを欲していた。

そんな折に手に取ったのが「Staffer Case:超能力推理アドベンチャー」だった。

 

詳しいあらすじやゲームのコンセプトはSteamのページで読めるので割愛する。

ざっくり言えば、超能力が存在する世界での推理もの。

つまり、特殊設定ミステリだ。

それだけで買う理由に足る。わたしは特殊設定ミステリが大好きだ。

 

特殊設定ミステリというだけで、期待値はそこそこに高かった。

けれどこのゲームは、その期待値を大きく上回ってきた。

 

超能力による殺人、その能力に課される制約、制約を逆手に取ったトリック等、

特殊設定ミステリの旨味をこれでもかというくらいに詰め込まれている。

これだよこれ!!!!と、何度も口が裂けるくらいの笑顔になった。

 

システム自体は逆転裁判リスペクトな矛盾突き合わせがベースで、

(逆裁名物のとある会話もあり、あまりにもあからさまで笑ってしまった)

大量の資料の中から矛盾点を探していくのが楽しい。

 

毎回の事件で、大量の資料が配られる。

この大量さが、このゲームの気持ちよさのミソだと思う。

人数分の能力調査書と関係者の陳述書、現場の調査書はマストで、

プラスで事件ごとの手がかりが資料として配られる。

これらの資料を読み込み、何度も資料の間を行き来し、

事件にひそむ矛盾や事実を探し出すのだが、

これが本っっっっっっっっ当に楽しい!!

大量の資料をかきわけて矛盾点をピンポイントで探し出す行為は、

「能動的に推理」している、という気にさせてくれる。

謎解きの誘導も(個人的には)親切すぎないくらいの塩梅で、手応えがあった。

(詰まった時用にヒントもある。やさしい)

 

 

 

 

 

ーーーーーーー!!! ここから先は超ネタバレ !!!ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気を抜いたら一気に真相が遠ざかる

時々謎解きの誘導があからさまになるが、

ここがこのゲームの油断ならないところだ。

 

全ての事件には複数のエンディングが用意されている。

事件の真相を暴くエンディングと、真犯人が不明のまま事件が決着するエンディングだ。

気を抜いてあからさまな誘導に乗ると、事件の真相は遠ざかる。

 

私は1話目からこれを食らい、本気で「やられた」と思った。

(1話目の嘘謎解きが真相だったとしても面白いと思ってたから、余計に……)

同時に、「気を抜いたらいかんぞ」とも思った。背筋が伸びた。

その後のストーリーや捜査に対する集中力は格段に上がった。

プレイヤーの集中力を最後まで保たせるうまい仕掛けだと思う。

 

 

誠実な特殊設定ミステリ

ところで、ステッパーケースは韓国のゲームらしい。

テキストは違和感のない日本語で(しかもフルボイスでもあるし)、

プレイ中は全く気付かなかった。

英語の翻訳だと、なんとなーく翻訳された気配を文章から感じるのだけど、

ステッパーケースはそれを感じなかった。

韓国語って機会がなくて勉強したことがないのだけど、

日本語と文法がちょっと似てるんだろうか。

 

それはさておき、ストーリーとテキストがすごくいい。

ぱっと見は軽そうに見えるけれど、実はすごく硬派だ。

文章はくだけすぎず、かといって難解すぎず、読んでいて安心する。

何より、安易な露悪も卑猥な目線もない。本当に読みやすかった。

韓国の風土がなせるものなのかな?もしそうなら、韓国の他のゲームも触ってみたい。

 

特殊設定ミステリとしての出来も、言うまでもなくすばらしい。

どれも特殊設定とトリックが不可分になっている。

これだけでも嬉しいのに、事件を起こす人間(動機)も置き去りにされていない。

(ここがおざなりになるミステリをいくつか見てきただけに、うれしい)

どの事件も驚かされたが、やはり4話は白眉だと思う。全身がしびれた。

5話の最後の六角推理も震えた。ミステリオタクはみんなこういうのが好きよ。

個人的に好きなのは3話。悲しい話だった。

 

ノート君の「謎を解く者としての覚悟」まわりの話も、

案外まじめな話をするんだな、と驚いた。

1話から積み重ねてきたそれらのエピソードが、5話で一旦の決着を見せる。

このあたりは古き良き(?)メフィスト賞作品や森博嗣作品を思わせる雰囲気で、

懐かしい心地になった。

 

おわりに

本当に面白かったな、ステッパーケース……

推理ゲームの基準がステッパーケースになるくらい面白かった。

感想が書けて満足。7月発売の最新作も楽しみです。